7.1 ファイルの読み書き
C#にはファイルの読み書き操作を簡単に行えるクラスやメソッドが用意されています。System.IO
名前空間に含まれるFile
クラスやStreamReader
・StreamWriter
クラスを使用して、ファイルの読み込みや書き込みを行います。
7.1.1 テキストファイルの書き込み
File.WriteAllText
メソッドを使用して、テキストファイルに文字列データを書き込むことができます。このメソッドは、ファイルパスと書き込む内容を引数に取り、指定した内容をファイルに一度に書き込む方法です。
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "example.txt";
string content = "Hello, C# ファイルの書き込み!";
File.WriteAllText(filePath, content);
Console.WriteLine("テキストファイルに書き込みが完了しました。");
}
}
このコードは、”example.txt” というファイルに「Hello, C# ファイルの書き込み!」という内容を書き込みます。もしファイルが存在しなければ、新たに作成され、既存のファイルがある場合は内容が上書きされます。
7.1.2 テキストファイルの読み込み
ファイルからテキストを読み込むには、File.ReadAllText
メソッドを使用します。以下の例では、先ほど作成したファイルから内容を読み取り、コンソールに出力します。
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "example.txt";
if (File.Exists(filePath))
{
string content = File.ReadAllText(filePath);
Console.WriteLine("ファイルの内容:");
Console.WriteLine(content);
}
else
{
Console.WriteLine("ファイルが見つかりません。");
}
}
}
ファイルが存在すればその内容をコンソールに出力し、存在しない場合はメッセージを表示するようになっています。
7.1.3 StreamWriterとStreamReaderを使ったファイル操作
StreamWriter
とStreamReader
クラスは、ファイルの内容を一行ずつ書き込んだり読み取ったりしたい場合に適しています。
書き込み例:
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "lines.txt";
using (StreamWriter writer = new StreamWriter(filePath))
{
writer.WriteLine("1行目のテキスト");
writer.WriteLine("2行目のテキスト");
writer.WriteLine("3行目のテキスト");
}
Console.WriteLine("複数行のテキストを書き込みました。");
}
}
using
ブロックを使うことで、StreamWriter
オブジェクトの処理が終わった後に自動的にリソースが解放されます。
読み込み例:
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "lines.txt";
if (File.Exists(filePath))
{
using (StreamReader reader = new StreamReader(filePath))
{
string line;
while ((line = reader.ReadLine()) != null)
{
Console.WriteLine(line);
}
}
}
else
{
Console.WriteLine("ファイルが見つかりません。");
}
}
}
StreamReader
を使用して、ファイルの内容を一行ずつ読み取り、コンソールに出力しています。
7.2 CSVファイルの操作
CSV(Comma Separated Values)ファイルは、データをカンマで区切って格納する形式で、Excelや多くのデータ分析ツールでサポートされています。C#でCSVを扱う場合は、StreamReader
やStreamWriter
を使用して手動で解析するか、CsvHelper
などの外部ライブラリを利用する方法があります。ここでは、StreamReader
とStreamWriter
を使用した基本的な例を紹介します。
7.2.1 CSVファイルへの書き込み
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "data.csv";
using (StreamWriter writer = new StreamWriter(filePath))
{
writer.WriteLine("名前,年齢,職業");
writer.WriteLine("佐藤,30,エンジニア");
writer.WriteLine("田中,25,デザイナー");
writer.WriteLine("鈴木,28,マーケティング");
}
Console.WriteLine("CSVファイルへの書き込みが完了しました。");
}
}
この例では、CSV形式で名前、年齢、職業の情報をファイルに書き込んでいます。
7.2.2 CSVファイルの読み込み
次に、CSVファイルからデータを読み取る方法です。各行をカンマで分割して配列に格納し、それぞれの値をコンソールに表示します。
using System;
using System.IO;
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "data.csv";
if (File.Exists(filePath))
{
using (StreamReader reader = new StreamReader(filePath))
{
string line;
while ((line = reader.ReadLine()) != null)
{
string[] values = line.Split(',');
Console.WriteLine("名前: " + values[0] + ", 年齢: " + values[1] + ", 職業: " + values[2]);
}
}
}
else
{
Console.WriteLine("CSVファイルが見つかりません。");
}
}
}
このコードは、各行をカンマで区切り、名前・年齢・職業をそれぞれ表示しています。
7.3 JSONファイルの操作
JSON(JavaScript Object Notation)は、データの構造を表現するための軽量な形式です。C#では、System.Text.Json
を利用してJSONデータのシリアライズ(オブジェクトをJSON形式に変換)やデシリアライズ(JSON形式をオブジェクトに変換)を行えます。
7.3.1 JSONファイルへの書き込み
以下の例では、クラスを定義し、そのインスタンスをJSON形式でファイルに保存しています。
using System;
using System.IO;
using System.Text.Json;
class Person
{
public string Name { get; set; }
public int Age { get; set; }
public string Job { get; set; }
}
class Program
{
static void Main()
{
Person person = new Person
{
Name = "佐藤",
Age = 30,
Job = "エンジニア"
};
string filePath = "person.json";
string json = JsonSerializer.Serialize(person);
File.WriteAllText(filePath, json);
Console.WriteLine("JSONファイルへの書き込みが完了しました。");
}
}
この例では、JsonSerializer.Serialize
メソッドでオブジェクトをJSON文字列に変換し、それをファイルに書き込んでいます。
7.3.2 JSONファイルの読み込み
次に、JSONファイルからデータを読み込み、オブジェクトとして復元する方法です。
using System;
using System.IO;
using System.Text.Json;
class Person
{
public string Name { get; set; }
public int Age { get; set; }
public string Job { get; set; }
}
class Program
{
static void Main()
{
string filePath = "person.json";
if (File.Exists(filePath))
{
string json = File.ReadAllText(filePath);
Person person = JsonSerializer.Deserialize<Person>(json);
Console.WriteLine("名前: " + person.Name);
Console.WriteLine("年齢: " + person.Age);
Console.WriteLine("職業: " + person.Job);
}
else
{
Console.WriteLine("JSONファイルが見つかりません。");
}
}
}
このコードでは、JSON文字列をJsonSerializer.Deserialize
メソッドでオブジェクトに変換しています。JSONファイルが存在する場合、ファイルの内容を読み込んでPerson
オブジェクトにデシリアライズし、コンソールに出力します。
まとめ
この章では、C#でのファイル操作を理解するために、テキストファイル、CSVファイル、JSONファイルの読み書き方法を解説しました。これにより、さまざまな形式でデータを保存し、必要に応じて取り出すことができるようになります。ファイル操作を活用することで、アプリケーションの機能を大幅に拡張できるでしょう。
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