制御構造は、プログラムの実行フローを管理するための重要な要素です。制御構造を理解することで、特定の条件に応じて処理を分岐させたり、繰り返し実行したりすることが可能になります。この章では、C#で使用される主要な制御構造について詳しく解説します。
2.1 if文
if文は、指定した条件がtrue
の場合にのみ、特定のコードブロックを実行するための構造です。条件がfalse
の場合、そのブロックはスキップされます。基本的な構文は次の通りです。
if (条件式) {
// 条件がtrueの場合に実行されるコード
}
例えば、数値が10以上であれば「10以上です」と表示するコードを考えます。
int number = 15;
if (number >= 10) {
Console.WriteLine("10以上です");
}
この場合、number
が15で10以上であるため、コンソールには「10以上です」と表示されます。条件が満たされなければ、このメッセージは表示されません。
2.2 if-else文
if
文には、条件がfalse
のときに実行されるelseブロックを追加できます。これにより、条件の結果に応じて異なるコードを実行できます。
int number = 5;
if (number >= 10) {
Console.WriteLine("10以上です");
} else {
Console.WriteLine("10未満です");
}
ここでは、number
が5で10未満であるため、「10未満です」が表示されます。
2.3 if-else if文
さらに、複数の条件を判定する場合は、else ifを追加して条件を次々とチェックできます。
int score = 85;
if (score >= 90) {
Console.WriteLine("優");
} else if (score >= 70) {
Console.WriteLine("良");
} else if (score >= 50) {
Console.WriteLine("可");
} else {
Console.WriteLine("不可");
}
ここでは、score
が85で90
未満70
以上であるため、「良」と表示されます。各条件は上から順に評価され、最初に条件がtrue
となるブロックが実行されます。
2.4 switch文
switch
文は、特定の値に基づいて処理を分岐させるための構造です。特に、複数の条件が等価チェックの場合に便利です。switch
文の基本構文は以下の通りです。
switch (変数) {
case 値1:
// 変数が値1のときに実行されるコード
break;
case 値2:
// 変数が値2のときに実行されるコード
break;
default:
// どのcaseにも該当しない場合に実行されるコード
break;
}
たとえば、ある曜日に応じて異なるメッセージを表示するコードを見てみましょう。
string day = "月曜日";
switch (day) {
case "月曜日":
Console.WriteLine("週の始まりです");
break;
case "金曜日":
Console.WriteLine("もうすぐ週末です");
break;
default:
Console.WriteLine("特別なメッセージはありません");
break;
}
ここでday
が「月曜日」のため、「週の始まりです」が表示されます。default
は、day
が指定されたどのcase
にも一致しない場合に実行されます。
2.5 forループ
for
ループは、特定の回数だけ繰り返し処理を行う際に用います。構文は以下の通りです。
for (初期化式; 条件式; 更新式) {
// 繰り返すコード
}
たとえば、1から5までの数値を順に出力するには、次のように書きます。
for (int i = 1; i <= 5; i++) {
Console.WriteLine(i);
}
このコードは、i
を1から5までインクリメントしながら繰り返し処理を行い、それぞれのi
の値を出力します。条件式がfalse
になるとループは終了します。
2.6 whileループ
whileループは、条件がtrue
である間、繰り返し処理を実行する構造です。構文は次の通りです。
while (条件式) {
// 繰り返すコード
}
たとえば、i
が5未満の間、i
の値を出力するコードは以下のようになります。
int i = 1;
while (i < 5) {
Console.WriteLine(i);
i++;
}
このコードでは、i
が5未満である間、i
の値を出力し、その後i
を1増加させます。条件がfalse
になると、ループは終了します。
2.7 do-whileループ
do-while
ループは、最初にコードを1回実行し、その後、条件がtrue
である間繰り返す構造です。構文は以下の通りです。
do {
// 繰り返すコード
} while (条件式);
例えば、1から5までの数値を出力するdo-while
ループを次のように書きます。
int i = 1;
do {
Console.WriteLine(i);
i++;
} while (i <= 5);
do-while
ループは、条件をチェックする前に1回必ずコードを実行します。
2.8 breakとcontinueの使い方
break文は、ループを途中で終了するために使用します。一方、continue文はループの残りのコードをスキップし、次の繰り返しに移ります。
たとえば、1から10までの数値のうち、5でループを終了するコードは以下の通りです。
for (int i = 1; i <= 10; i++) {
if (i == 5) {
break;
}
Console.WriteLine(i);
}
この場合、i
が5になったときにbreak
が実行され、ループが終了します。
また、偶数だけを出力するためにcontinue
を使う例は次の通りです。
for (int i = 1; i <= 10; i++) {
if (i % 2 != 0) {
continue;
}
Console.WriteLine(i);
}
この場合、i
が奇数である場合はcontinue
が実行され、その後のコードはスキップされます。結果として、偶数だけが出力されます。
まとめ
この章では、C#の制御構造について学びました。if
文やswitch
文を使って条件に応じた処理を記述し、for
やwhile
ループを用いて特定の処理を繰り返す方法を理解しました。また、break
やcontinue
を使ってループの動作をコントロールする方法についても触れました。制御構造はC#プログラムを柔軟に構築するための重要な技術であり、実際のプログラムを作成する際に大いに役立ちます。
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