自動売買を実現する上で、API(Application Programming Interface)の活用は不可欠です。APIを使えば、プログラムから直接株式市場にアクセスし、データの取得や注文の発行が可能になります。本章では、APIの仕組みから始め、ブローカーAPIの選び方、実際のAPIを使った注文処理、そして自動売買システムを構築する手順について詳しく解説します。
APIは、異なるソフトウェア間でデータをやり取りするためのインターフェースを提供します。特に株式市場におけるAPIは、ブローカー(証券会社)のシステムと自動売買システムを接続し、リアルタイムのデータ取得や、売買注文の自動化を可能にします。
ブローカーAPIを利用することで、次のような機能が実現できます。
これらの機能を組み合わせることで、完全に自動化された株式取引システムが構築可能です。
自動売買システムを構築する上で、ブローカーAPIの選定は非常に重要です。APIの質や機能はブローカーによって異なるため、適切なAPIを選ぶことが成功の鍵となります。以下のポイントに注目して、最適なAPIを選びましょう。
ブローカーが提供するAPIは大きく分けて二種類あります:
一部のブローカーは無料でAPIを提供していますが、リアルタイムデータや高頻度のデータ取得には追加費用がかかる場合があります。自動売買システムの規模やニーズに応じて、コストに見合ったAPIを選びましょう。例えば、個人投資家向けに手頃なAPIを提供しているブローカーも多く存在しますが、機関投資家向けの高機能APIは高額になることもあります。
APIを通じて提供されるデータの範囲も確認する必要があります。株価データ以外にも、ニュース、テクニカル指標、取引ボリュームなど、多様なデータが提供されている場合があります。また、取引所の対応状況も確認し、利用したい市場(国内株、米国株、仮想通貨など)がカバーされているかをチェックしましょう。
APIが安定して動作するかどうかは非常に重要です。APIのダウンタイムが長い場合、思ったタイミングで注文ができず、損失を被る可能性があります。また、技術サポートが充実しているかどうかも重要です。ドキュメントやサンプルコード、コミュニティのサポートがあるかどうかを確認し、問題が発生した際にすぐに対処できる体制が整っているブローカーを選びましょう。
APIの選定が完了したら、次は実際にAPIを使って注文処理を行います。Pythonを使ったシンプルな注文処理の例を示し、各手順を解説します。
APIを利用するには、まずブローカーから発行されたAPIキーやアクセストークンを使用して認証を行います。これにより、ブローカーはリクエストが正規のユーザーから送信されていることを確認できます。
以下は、REST APIを使った認証の例です:
import requests
API_KEY = "your_api_key"
BASE_URL = "https://api.broker.com"
# 認証リクエストのヘッダーを設定
headers = {
"Authorization": f"Bearer {API_KEY}"
}
# 認証後、ユーザー情報を取得
response = requests.get(f"{BASE_URL}/account", headers=headers)
if response.status_code == 200:
print("認証成功:", response.json())
else:
print("認証失敗:", response.status_code, response.text)
このコードでは、まずAPIキーを使ってブローカーのAPIにアクセスし、ユーザー情報を取得しています。response
オブジェクトにはリクエストの結果が返され、成功した場合にはユーザー情報が表示されます。
APIを使ってリアルタイムの株価データを取得することができます。以下の例では、特定の銘柄の株価を取得します。
symbol = "AAPL" # Appleのティッカーシンボル
endpoint = f"{BASE_URL}/marketdata/{symbol}/price"
# 株価データを取得
response = requests.get(endpoint, headers=headers)
if response.status_code == 200:
data = response.json()
print(f"{symbol}の株価:", data['price'])
else:
print("データ取得失敗:", response.status_code, response.text)
このスクリプトでは、Apple(AAPL)のリアルタイム株価データを取得しています。結果として、最新の株価が表示されます。
次に、実際に売買注文を発行する例を見ていきます。以下は、Pythonを使った成行注文の発行例です。
order = {
"symbol": "AAPL",
"quantity": 10, # 10株を購入
"orderType": "market", # 成行注文
"side": "buy" # 買い注文
}
# 注文を発行
response = requests.post(f"{BASE_URL}/orders", json=order, headers=headers)
if response.status_code == 201:
print("注文成功:", response.json())
else:
print("注文失敗:", response.status_code, response.text)
ここでは、Appleの株式を10株、成行注文で購入するコードです。order
オブジェクトに必要な情報を渡し、requests.post()
メソッドでAPIに注文を発行します。成功すると、注文IDや注文ステータスが返されます。
注文が発行された後、そのステータスを確認することが可能です。これは、注文が約定されたか、キャンセルされたかなどを追跡するために使用されます。
order_id = "your_order_id"
response = requests.get(f"{BASE_URL}/orders/{order_id}", headers=headers)
if response.status_code == 200:
print("注文ステータス:", response.json())
else:
print("ステータス取得失敗:", response.status_code, response.text)
このコードでは、order_id
を使って特定の注文のステータスを取得しています。これにより、注文がどのように処理されたかが確認できます。
APIを使った基本的な注文処理が理解できたところで、次に実際の市場で自動売買を行う方法を説明します。ここでは、以下のステップに従ってシステムを構築します。
以下に、単純な自動売買システムのコード例を示します。
import time
def moving_average_strategy(data):
short_window = data['close'].rolling(window=20).mean()
long_window = data['close'].rolling(window=50).mean()
if short_window.iloc[-1] > long_window.iloc[-1]:
return "buy"
elif short_window.iloc[-1] < long_window.iloc[-1]:
return "sell"
else:
return "hold"
while True:
# 市場データの取得
response = requests.get(f"{BASE_URL}/marketdata/AAPL/price", headers=headers)
data = response.json()
# 戦略に基づいた判断
action = moving_average_strategy(data)
if action == "buy":
order = {
"symbol": "AAPL",
"quantity": 10,
"orderType": "market",
"side": "buy"
}
requests.post(f"{BASE_URL}/orders", json=order, headers=headers)
print("買い注文を発行しました")
elif action == "sell":
order = {
"symbol": "AAPL",
"quantity": 10,
"orderType": "market",
"side": "sell"
}
requests.post(f"{BASE_URL}/orders", json=order, headers=headers)
print("売り注文を発行しました")
# 一定時間待機(例:5分)
time.sleep(300)
このシンプルなシステムでは、Appleの株価データを取得し、20日と50日の移動平均線のクロスを基に売買判断を行っています。売買の判断がなされるたびに、APIを使って自動的に注文が発行されます。これにより、市場の監視や手動での取引が不要になり、完全に自動化されたトレードが可能になります。
自動売買には多くの利点がありますが、同時にいくつかのリスクも伴います。APIを使った自動売買システムでは、次の点に特に注意が必要です。
本章では、Pythonを使ってAPIを活用し、実際の市場で自動売買を行うための手法を詳しく解説しました。APIの選定から認証、データ取得、注文処理、自動売買システムの構築まで、すべてのプロセスをステップバイステップで理解できたと思います。
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