これまでに学んだ基本的な自動売買戦略に加えて、より高度な手法を導入することで、取引の精度を向上させることができます。この章では、強化学習や機械学習を活用して株式市場を予測し、それを基に自動売買戦略を構築する方法について解説します。また、TensorFlowやScikit-learnといった機械学習ライブラリを使った具体的な実装例や、ディープラーニングを活用した価格予測モデルも紹介します。
まず、機械学習の基本的な概念を理解する必要があります。機械学習とは、データからパターンを学習し、それを基に未来のデータを予測する技術です。株式市場においては、過去の株価データや市場指標をもとに、未来の価格や売買シグナルを予測するために使用されます。
機械学習は大きく以下の3つに分類されます:
強化学習は、ゲームAIやロボティクスなどで多く活用されている技術ですが、株式市場でも有効に機能します。強化学習では、取引エージェントが「環境」と相互作用し、取引の結果によって得られる「報酬」を基に学習します。この報酬は、利益や損失などで表され、エージェントは報酬を最大化するように行動を選択していきます。
強化学習のライブラリとしては、Stable-Baselines3 や Gym を利用して、Pythonで株式取引のエージェントを実装することができます。
import gym
import numpy as np
from stable_baselines3 import PPO
# 簡単な取引環境を設定
class TradingEnv(gym.Env):
def __init__(self, data):
super(TradingEnv, self).__init__()
self.data = data
self.current_step = 0
self.action_space = gym.spaces.Discrete(3) # 0: Buy, 1: Sell, 2: Hold
self.observation_space = gym.spaces.Box(low=0, high=1, shape=(10,)) # 状態の次元数は10と仮定
def reset(self):
self.current_step = 0
return self._next_observation()
def _next_observation(self):
return np.random.rand(10) # ダミーデータとしてランダムな数値を返す
def step(self, action):
self.current_step += 1
done = self.current_step >= len(self.data)
reward = np.random.rand() # 報酬はランダムな数値として仮定
return self._next_observation(), reward, done, {}
# ダミーデータを用意
data = np.random.rand(100)
# 環境をインスタンス化
env = TradingEnv(data)
# PPOエージェントを利用して学習
model = PPO("MlpPolicy", env, verbose=1)
model.learn(total_timesteps=10000)
# 学習したエージェントで取引をシミュレーション
obs = env.reset()
for _ in range(100):
action, _states = model.predict(obs)
obs, rewards, done, info = env.step(action)
if done:
break
このコードでは、シンプルな取引環境を定義し、PPO(Proximal Policy Optimization)という強化学習アルゴリズムを使ってエージェントを訓練しています。実際の取引データを使用してさらに洗練されたモデルを構築することが可能です。
機械学習では、過去のデータを使用して株価や取引シグナルを予測するモデルを構築できます。ここでは、Scikit-learnやTensorFlowを使った実装を紹介します。
株価の予測には、シンプルなモデルから始めるのがよいでしょう。以下は、過去の移動平均を使った線形回帰モデルです。
import numpy as np
import pandas as pd
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.linear_model import LinearRegression
# 株価データを作成(簡易的なダミーデータ)
dates = pd.date_range('2020-01-01', periods=100)
prices = np.random.rand(100) * 100
df = pd.DataFrame({'Date': dates, 'Price': prices})
# 移動平均を特徴量として追加
df['SMA'] = df['Price'].rolling(window=5).mean().fillna(0)
# 特徴量とターゲットを設定
X = df[['SMA']]
y = df['Price']
# データを訓練用とテスト用に分割
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=42)
# 線形回帰モデルを訓練
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)
# 予測
y_pred = model.predict(X_test)
# 結果の表示
print(f"実際の価格: {y_test.values[:5]}")
print(f"予測された価格: {y_pred[:5]}")
ここでは、シンプルな線形回帰を使用して、移動平均に基づいて株価を予測しています。もっと複雑なモデルや特徴量を追加することで、精度を向上させることができます。
次に、TensorFlowを使ってディープラーニングを用いた株価予測を行います。ディープラーニングは、複雑な非線形関係を学習するのに優れており、株式市場のようなノイズの多いデータに対しても有効です。
株価は時間とともに変動するため、時系列データに強いLSTM(Long Short-Term Memory)ネットワークを利用することが一般的です。
import numpy as np
import pandas as pd
import tensorflow as tf
from sklearn.preprocessing import MinMaxScaler
# 株価データを作成
data = np.random.rand(1000) * 100
df = pd.DataFrame(data, columns=['Price'])
# データをスケーリング
scaler = MinMaxScaler(feature_range=(0, 1))
scaled_data = scaler.fit_transform(df)
# LSTMの入力形式に変換
def create_dataset(dataset, time_step=1):
dataX, dataY = [], []
for i in range(len(dataset)-time_step-1):
a = dataset[i:(i+time_step), 0]
dataX.append(a)
dataY.append(dataset[i + time_step, 0])
return np.array(dataX), np.array(dataY)
time_step = 10
X, y = create_dataset(scaled_data, time_step)
# データを訓練用とテスト用に分割
train_size = int(len(X) * 0.8)
X_train, X_test = X[:train_size], X[train_size:]
y_train, y_test = y[:train_size], y[train_size:]
# LSTMモデルの構築
model = tf.keras.Sequential([
tf.keras.layers.LSTM(50, return_sequences=True, input_shape=(time_step, 1)),
tf.keras.layers.LSTM(50, return_sequences=False),
tf.keras.layers.Dense(25),
tf.keras.layers.Dense(1)
])
# モデルのコンパイル
model.compile(optimizer='adam', loss='mean_squared_error')
# モデルの訓練
model.fit(X_train, y_train, batch_size=32, epochs=10)
# 予測
predictions = model.predict(X_test)
# 結果を元のスケールに戻す
predictions = scaler.inverse_transform(predictions)
このLSTMモデルでは、過去10日間の株価データを使用して次の日の価格を予測しています。LSTMは長期的な依存関係を捉えるのに適しているため、株価のような時系列データの予測に優れています。
機械学習や強化学習を活用することで、株式市場の複雑なパターンを捉え、自動売買戦略をより高度なものにすることが可能です。強化学習では、エージェントが市場環境から学習して取引を行い、報酬を最大化する方法を身につけます。また、機械学習では、過去のデータを基に未来の価格を予測するモデルを構築し、それを基に戦略を自動化できます。
ディープラーニングを用いることで、より複雑な市場データを分析し、長期的な依存関係を捉えることができるため、より精度の高い予測が可能となります。
プログラミングを始めたいと思っているそこのあなた、独学よりもプログラミングスクールが断然おすすめです!理由は簡単、続けやすさです。
独学でプログラミングを続けるのは、実はかなりハードルが高いんです。データによると、なんと87.5%もの学習者が途中で挫折しているとか。一方、各プログラミングスクールが公表しているデータによると、受講生の約95%が最後までやり抜いているとのこと。数字を見れば一目瞭然、プログラミングスクールの方が圧倒的に続けやすいんです。
プログラミングスクールには有料と無料のタイプがありますが、その違いは次の通りです:
どちらが自分に合っているか、よく考えて選ぶのが大事です。
プログラミング初心者でも学びやすいと評判の『FREEKS』、その特徴は以下の通り:
なんと、月会費のみで全カリキュラムが受け放題!Java、PHP、HTML/CSS、JavaScriptなど、多彩なプログラミング言語が学べるんです。しかも、AIが質問に自動で答えてくれるシステムも導入済み。
カリキュラムを終了した後には、Freeks経由で未経験者でも取り組める副業案件の受注が可能。実務を通じてスキルを磨き、市場価値の高いエンジニアへの道が開けます。
独学で悩むくらいなら、まずはプログラミングスクールをチェックしてみるのもアリかもしれませんよ!
↓ ↓ こちらをクリック ↓ ↓