Pythonを使って画像認識の基本アルゴリズムを学びます。画像認識のプロセスは大まかに「前処理」「特徴量抽出」「分類」の3段階に分けることができ、この章では特に「エッジ検出」や「特徴量抽出」に焦点を当てた基本技術を紹介します。さらに、特徴量に基づいて画像を分類する手法として、k近傍法(k-NN)、サポートベクターマシン(SVM)、決定木などのアルゴリズムを実装します。
4.1 エッジ検出と画像処理の基本
4.1.1 エッジ検出とは
エッジ検出は、画像内の物体の輪郭や形状を捉えるための重要な処理です。エッジは、色の急激な変化が生じる領域として定義され、物体の境界線を示します。エッジ検出は、後の特徴量抽出や分類に役立つ基本ステップです。
Pythonでのエッジ検出には、SobelフィルタやCannyエッジ検出などの技術が使われます。
4.1.2 Sobelフィルタ
Sobelフィルタは、各ピクセルの周囲の勾配を計算することでエッジを検出します。このフィルタは、縦方向および横方向の変化を検出し、それらの合成勾配をもとにエッジを識別します。
import cv2
import numpy as np
from matplotlib import pyplot as plt
# 画像を読み込み
img = cv2.imread('sample_image.jpg', 0) # グレースケールで読み込み
# Sobelフィルタを適用
sobelx = cv2.Sobel(img, cv2.CV_64F, 1, 0, ksize=5) # X方向の勾配
sobely = cv2.Sobel(img, cv2.CV_64F, 0, 1, ksize=5) # Y方向の勾配
# 結果をプロット
plt.subplot(1, 2, 1), plt.imshow(sobelx, cmap='gray')
plt.title('Sobel X'), plt.xticks([]), plt.yticks([])
plt.subplot(1, 2, 2), plt.imshow(sobely, cmap='gray')
plt.title('Sobel Y'), plt.xticks([]), plt.yticks([])
plt.show()
上記のコードでは、Sobelフィルタを使って画像のX方向とY方向のエッジを抽出しています。結果はそれぞれ異なる方向のエッジが強調されていることが確認できるでしょう。
4.1.3 Cannyエッジ検出
Cannyエッジ検出は、エッジ検出のための高度なアルゴリズムです。ノイズ除去、エッジ検出、エッジの結合といった複数のステップを経て、画像から明瞭なエッジを抽出します。
# Cannyエッジ検出
edges = cv2.Canny(img, 100, 200)
# 結果をプロット
plt.imshow(edges, cmap='gray')
plt.title('Canny Edge Detection')
plt.xticks([]), plt.yticks([])
plt.show()
Cannyエッジ検出は、ノイズの多い画像や、細かいエッジを検出したい場合に効果的です。この手法は、物体認識や顔検出の前段階でよく使われます。
4.2 特徴量抽出
特徴量抽出は、画像から意味のある情報を数値化するプロセスです。画像認識のアルゴリズムは、通常、生のピクセルデータではなく、抽出された特徴量を基に学習や分類を行います。ここでは、代表的な特徴量抽出法として**HOG(ヒストグラム・オブ・グラディエント)**を紹介します。
4.2.1 HOG(Histogram of Oriented Gradients)
HOGは、エッジの方向に基づいて画像の特徴を捉える方法です。物体の形状や輪郭を強調し、画像分類や顔認識に適しています。
HOGは、画像を小さなセルに分割し、各セル内でエッジの方向(勾配)のヒストグラムを計算します。このヒストグラムがそのセル内の特徴量を表します。
from skimage.feature import hog
# HOG特徴量の計算
hog_features, hog_image = hog(img, orientations=9, pixels_per_cell=(8, 8),
cells_per_block=(2, 2), visualize=True)
# 結果を表示
plt.imshow(hog_image, cmap='gray')
plt.title('HOG Features')
plt.show()
HOGの結果から、元の画像に含まれる輪郭やエッジの特徴が視覚化され、物体の形状を捉えられていることが確認できます。
4.3 画像分類手法
次に、特徴量を用いて画像を分類する基本的なアルゴリズムを紹介します。このセクションでは、k-NN、SVM、決定木という3つのアルゴリズムを扱います。
4.3.1 k近傍法(k-Nearest Neighbors, k-NN)
k-NNは、シンプルかつ効果的な分類アルゴリズムです。k-NNでは、未知のデータポイントに最も近い「k個の既知のデータポイント」を探し、そのクラスを割り当てます。例えば、画像が猫か犬かを判定する場合、過去に判定された画像の中で最も近いk個の画像がどちらに多いかで、新しい画像を分類します。
from sklearn.neighbors import KNeighborsClassifier
# k-NNモデルの構築
knn = KNeighborsClassifier(n_neighbors=3)
knn.fit(X_train, y_train) # X_trainは特徴量、y_trainはラベル
# 新しいデータの予測
pred = knn.predict(X_test)
k-NNは、計算が非常にシンプルで実装しやすい一方、計算量がデータ量に依存するため、大規模なデータセットでは速度が低下するという課題があります。
4.3.2 サポートベクターマシン(SVM)
SVMは、高次元空間でデータを分類する強力な手法です。SVMでは、データポイントを分離する「超平面」を見つけ、クラス間のマージンを最大化するように分類を行います。
from sklearn.svm import SVC
# SVMモデルの構築
svm = SVC(kernel='linear')
svm.fit(X_train, y_train)
# 新しいデータの予測
pred = svm.predict(X_test)
SVMは、特に線形分離可能なデータに対して強力ですが、カーネル法を使うことで非線形データにも対応できます。
4.3.3 決定木
決定木は、データを条件に基づいて分割し、最終的に分類を行う手法です。木構造に基づいて各ステップでデータを分割し、最終的に葉ノードでクラスが決定されます。
from sklearn.tree import DecisionTreeClassifier
# 決定木モデルの構築
tree = DecisionTreeClassifier()
tree.fit(X_train, y_train)
# 新しいデータの予測
pred = tree.predict(X_test)
決定木は解釈性が高く、可視化が容易なため、データの理解や特徴量の重要性を判断する際に有用です。ただし、過学習しやすい点が課題となるため、適切なパラメータ調整が必要です。
まとめ
この章では、Pythonを使った画像認識の基本アルゴリズムについて学びました。エッジ検出や特徴量抽出の技術から、k-NN、SVM、決定木といった分類手法まで、画像認識の基礎となる技術を幅広くカバーしました。これらのアルゴリズムは、今後の章で扱う実践的なプロジェクトでも重要な役割を果たすでしょう。次章では、機械学習を活用したディープラーニングによる画像認識の手法について詳しく見ていきます。
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