Rubyのプログラミングにおいて基本的な構文を理解することは、プログラムを正確に書き、さまざまなロジックを組み立てるために必要不可欠です。本章では、データ型と変数の使い方、基本的な演算子とメソッド、そして制御構造について詳しく解説します。
Rubyにはさまざまなデータ型があり、各データ型には特有の特性と使い方があります。このセクションでは、文字列、数値、配列、ハッシュについて学びます。
文字列はテキストデータを扱うためのデータ型で、シングルクォート(')またはダブルクォート(")で囲んで表現します。
greeting = "Hello, World!"
name = 'Alice'
文字列にはさまざまな操作が可能です。たとえば、+演算子を使って文字列を結合したり、lengthメソッドで文字数を取得したりできます。
full_greeting = greeting + " " + name
puts full_greeting # => "Hello, World! Alice"
puts full_greeting.length # => 17
ダブルクォートで囲んだ文字列の中では、変数の値を埋め込むことができます。これを文字列の補間と呼びます。補間を行うには、#{}の中に変数を記述します。
age = 25
puts "Hello, #{name}. You are #{age} years old."
# => "Hello, Alice. You are 25 years old."
Rubyでは、数値データには整数(Integer)と小数(Float)があります。数値はそのまま代入して使うことができ、算術演算も容易に行えます。
age = 25
price = 19.99
数値には加算、減算、乗算、除算、剰余などの算術演算が可能です。
sum = 10 + 5
difference = 10 - 5
product = 10 * 5
quotient = 10 / 3
remainder = 10 % 3
puts sum # => 15
puts difference # => 5
puts product # => 50
puts quotient # => 3
puts remainder # => 1
配列は複数の要素を順序付きで保持するデータ型です。Rubyの配列は角括弧[]で定義し、さまざまなデータ型を混在させることができます。
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
mixed_array = [1, "hello", 3.14]
配列の要素にはインデックス(0から始まる位置番号)を使ってアクセスできます。
puts fruits[0] # => "apple"
puts fruits[1] # => "banana"
配列には便利なメソッドが多く、たとえばpushメソッドで新しい要素を追加することができます。
fruits.push("orange")
puts fruits # => ["apple", "banana", "cherry", "orange"]
ハッシュはキーと値のペアを保持するデータ構造で、連想配列とも呼ばれます。Rubyのハッシュは{}を使って定義します。
person = {
name: "Alice",
age: 25,
city: "New York"
}
ハッシュの各要素にはキーを使ってアクセスします。
puts person[:name] # => "Alice"
puts person[:age] # => 25
新しいキーと値を追加することも可能です。
person[:job] = "Engineer"
puts person # => {:name=>"Alice", :age=>25, :city=>"New York", :job=>"Engineer"}
Rubyには数値や文字列を操作するための演算子が用意されており、直感的な操作が可能です。また、Rubyはオブジェクト指向言語であるため、すべてのデータ型にはメソッドが存在し、それぞれに固有の機能を提供します。
算術演算子は主に数値の計算に使われ、基本的な演算には以下が含まれます。
+ : 加算- : 減算* : 乗算/ : 除算% : 剰余たとえば、以下のコードは各演算子の使い方を示しています。
a = 10
b = 3
puts a + b # => 13
puts a - b # => 7
puts a * b # => 30
puts a / b # => 3
puts a % b # => 1
比較演算子は、値同士を比較するために使用します。主な比較演算子は次の通りです。
== : 等しい!= : 等しくない> : より大きい< : より小さい>= : 以上<= : 以下x = 5
y = 10
puts x == y # => false
puts x != y # => true
puts x > y # => false
puts x < y # => true
論理演算子は、複数の条件を組み合わせるために使用します。
&& : 論理積(AND)|| : 論理和(OR)! : 否定(NOT)age = 20
is_student = true
puts age > 18 && is_student # => true
puts age > 18 || is_student # => true
puts !is_student # => false
制御構造は、プログラムの実行フローを制御するために使われます。Rubyにはif文、while文、for文などの基本的な制御構造があり、条件に応じた処理の実行やループ処理を行うことができます。
if文は条件が真の場合に特定の処理を実行するために使用されます。条件が偽の場合、else句やelsif句を使って別の処理を実行することも可能です。
age = 18
if age >= 20
puts "You are an adult."
elsif age >= 18
puts "You are almost an adult."
else
puts "You are a minor."
end
while文は、条件が真である限りブロック内の処理を繰り返します。
counter = 1
while counter <= 5
puts counter
counter += 1
end
# => 1
# => 2
# => 3
# => 4
# => 5
for文は、配列や範囲(Range)を使って要素ごとに繰り返し処理を行うために使用されます。
for i in 1..5
puts i
end
# => 1
# => 2
# => 3
# => 4
# => 5
以上が、Rubyにおける基本的なデータ型と変数の使い方、演算子、そして制御構造の解説です。これらの基礎を理解することで、Rubyのプログラミングにおいてさまざまなロジックを構築できるようになります。